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POPsモニタリングにおいて留意すべきこととしては、「水質、底質、大気、生物等での平均濃度と今後の変化を明らかにすること」、「時間的・空間的変動を明らかにした上で、POPsの発生状況や環境中での挙動、バックグラウンドレベルの解析に役立てること」、「汚染状態に関して十分信用できるデータ提供を行うこと」などが挙げられます。実際、POPsモニタリングデータは、POPs削減のための対策立案の基礎となるほか、ストックホルム条約や関連施策の有効性評価のためにも用いられます。現在は、国連環境計画が中心となり、POPs対策が十分に機能しているかを判断するための継続的なモニタリングが国際的な枠組みにより実施されている段階です。しかしながら、国内モニタリングでは従来法で検出下限以下に濃度が下がってきている物質も多いことから、分析法については精度管理に留意するとともに、長期的なモニタリングの間に予想されるさらなる濃度低下に対応した検出下限の確保も必要となります。  近年、POPsの分析法は進歩しており、新規の方法としては「有機分析の新展開-網羅分析法開発」の記事(本号3~5ページ参照)にあるように多次元ガスクロマトグラフィ法(GC×GC)にタンデム型質量分析法(MS/MS)等の検出法を組み合わせる試みも行われていますが、本稿では、国内の化学物質対策を担う環境省のPOPsモニタリング調査を取り上げその分析法を説明するとともに、大気中POPsについてGC×GC-MS/MSを利用した熱脱離分析法を紹介します。  環境省は化学物質環境実態調査のなかで平成14年度から国内におけるPOPs濃度レベルを明らかにするためのモニタリング調査を実施しています(化学物質環境実態調査年次報告書http://www.env.go.jp/chemi/kurohon/index.html)。 化学物質環境実態調査年次報告書 測定媒体は、水質、底質、生物(貝類、魚類および鳥類)、大気の4媒体であり、大気を除いて年1回の調査が行われています。なお、大気については季節変動の考慮に加えて国際的な取り組み優先度も他の媒体より高いため、夏冬の年2回の調査となっています。この調査における試料採取は地方公共団体が担当しており、その数は最新の調査(平成24年度版)では延べ59団体に及びます。試料採取量は限られる一方で、測定対象POPsは19物質群と多種にわたることから、より多くのPOPsを低濃度まで正確に一斉分析することが重要となります。  一般的にPOPsのモニタリング手法は試料採取、前処理、測定に大別することができます。まずは試料を採取して研究所に持ち帰るわけですが、試料の採取・運搬に際して留意すべきこととしては、試料および試料間での汚染を防ぐこと、移動中の試料の変性を防ぐこと、採取時における破過(水質や大気の現場ろ過吸着捕集において、POPsが捕集材に十分に吸着されずに通り抜けてしまう現象)をできる限り抑えることなどが挙げられます。前処理に関して、POPsを含む有機成分の抽出操作では、アセトン、ヘキサン、トルエン、ジクロロメタンなどの各種有機溶媒が用いられます。生物試料の場合には脂肪の分解のためアルカリ処理を抽出時に行う場合も見受けられます。環境中でのPOPsは微量であるため、抽出後の有機溶媒(粗抽出液)中では測定の際に妨害となる夾雑物(例えば、極性不純物、イオウ含有化合物、酸性化合物、脂質など)が圧倒的に多く存在しています。そのため、得られた粗抽出液について、硫酸処理やジメチルスルホキシド分配処理、各種充填剤(シリカゲル、フロリジル、酸化アルミニウム、活性炭など)を用いた分離精製を繰り返し実施することで、POPsを0.1ml程度の有機溶媒中に選択的に濃縮することが可能となります。このようにして前処理の実施された試料が測定に用いられます。環境省により定められた公定法におけるPOPsの定量操作は、キャピラリーカラムを用いるガスクロマトグラフと二重収束質量分析計を用いるガスクロマトグラフィ質量分析法(GC/HRMS)によって行われています。具体的には、測定時に10,000以上の高分解能測定を維持するため、質量校正用標準物質を測定試料と同時にイオン源に導き、測定時の質量変動を補正しながら選択的にイオンを検出する方法(SIM法)となっています。MSで検出されたピークが妨害のないPOPs由来のものであるかを判断するために、GCでの保持時間とイオン強度比を確認し、最終的にはクロマトグラム上のピーク面積から内標準法にしたがって定量が行われます。  このように現状のPOPsモニタリングは、試料採取から各POPsの定量に至るまで、試料採取以降で10日間程度の日数を要します。そのため、複数地点でモニタリングを高頻度に行うような場合では、人的資源に加えて前処理時間を考慮した計画が求められます。さらに、ガラス器具や各種充填剤の事前洗浄、GC/HRMSの事前調整など行うべきことも多々あるとともに、新たなPOPsおよび候補物質の存在といった背景もあることから、これら煩雑な操作を伴わない、より簡易で正確な高感度分析のニーズは近年特に高まっているといえます。  最後に当研究室で行っている熱脱離GC×GCを用いた大気試料のPOPs分析について紹介します。環境省の公定法において、大気中のPOPsは石英繊維フィルタ、ポリウレタンフォームおよび活性炭素繊維フエルトを用いて捕集されますが、これら捕集材の事前洗浄と捕集後の抽出操作に数リットルの有機溶媒を要しています。また、これまで述べた前処理も必要なため、かなりの労力と時間を費やすことになります。図1に熱脱離GC×GCを用いた私たちの方法の概要を示します。この方法においてPOPsは内径5mm、長さ50mmの小型ガラス管に充填されたTenax樹脂に吸着捕集されます。捕集後のガラス管は熱脱離装置に導入され、Tenax樹脂の加温により捕捉されたPOPsの脱離を行い、捕捉した全量をGC×GCに注入します。この操作では一切の前処理が不要となるため、分析時間は大幅に短縮されます。POPsと夾雑物の分離はモジュレータ—を介して接続された極性の異なる2本のキャピラリーカラムで行われます(図2)。1本目のキャピラリーカラム(60m程度)から溶出した成分に対して、捕捉と2本目のキャピラリーカラム(1.5m程度)への脱離が数秒間隔で繰り返されます。そのため従来のGC1台以上の高い分離をGC×GCでは達成することが可能となります。また、GC×GCを通過した成分について、MS/MSを用いてより選択的な検出を行うことでGC/HRMSと同等の高感度な測定を維持することができます。従来のPOPs分析では溶媒抽出と前処理が必要なため、多試料の扱いは困難でありましたが、本法は前処理不要な小型ガラス管による吸着捕集に基づいていることから、捕集装置の自動化による高頻度観測も近い将来には実現できると考えています。  登録済みの化学物質の数はすでに5000万種を超えていることから、今後は1回の測定でPOPsをはじめより多くの物質を正確に定量する網羅的な多成分分析が求められるように思います。 図1 熱脱離GCxGC-MS/MSによる大気中POPs分析の概略図 図2 GC×GCの概略図 (たかざわ よしかつ、環境計測研究センター有機計測研究室 主任研究員) 執筆者プロフィール 最近の小さな楽しみは、休日のウォーキングです。運動不足を自覚していましたが、身体を動かすことで気分もリフレッシュできています。1時間程度歩くことがいまの自分にはあっているようなので、無理せず長く続けたいと思っています。 目次 環境を測る 有機分析の新展開-網羅分析法開発 化学物質の登録と管理:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法) 低炭素社会の実現に向けた実践的な研究を目指して 枠にハマった調査 科学技術週間に伴う一般公開「春の環境講座」開催報告 2013 国立環境研究所 夏の大公開 -来て、見て、納得、あなたもエコ博士- エコライフ・フェア2013に出展しました 編集後記 関連新着情報 2021年12月21日新規POPs含有プラスチック廃棄物に関する 国際セミナーの実施について(報告)(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 2017年1月23日環境GIS「ダイオキシン調査」に2014年度データを追加しました 2016年4月13日環境GIS「ダイオキシン調査」に2012年度・2013年度データを追加しました 2015年1月22日高校生も楽しめる資源循環・廃棄物研究情報誌 オンラインマガジン環環2015年1月号 循環・廃棄物のけんきゅう:「E-wasteリサイクルに伴う有害化学物質のゆくえ」 循環・廃棄物の豆知識:「野焼きの煙」 けんきゅうの現場から:「E-wasteと健康の関係をしらべる」が公開されました 2012年6月20日オンラインマガジン環環の6月号が公開されました 2012年3月23日オンラインマガジン環環の3月号が公開されました 全てを見る 閉じる 関連記事 2022年3月11日健康や生態系への影響が懸念される 化学物質すべての評価を目指して特集 数理モデル的手法を用いた化学物質の環境動態把握 2019年10月28日ベトナム・使用済み電気製品のリサイクル村で プラスチック難燃剤による環境曝露を調べる特集 世界を対象とした低炭素社会実現に向けたロードマップ開発手法とその実証的研究 【研究ノート】 2019年10月28日「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」とプラスチック ~条約発効から15 年が経過、新たな局面へ~特集 資源循環における随伴物質の環境影響評価と適正管理 【環境問題基礎知識】 2018年2月28日サンプリングの理想と現実特集 化学物質曝露の包括的・網羅的把握に向けて 【調査研究日誌】 2017年6月30日多能性幹細胞を用いて胎児期の影響を調べるコラム1 2014年6月30日E-wasteリサイクル活動に伴う製品由来化学物質の周辺環境への拡散と集積-ベトナムでの調査事例から-特集 アジアのE-wasteリサイクルを通じた資源と有害物質の管理 【研究ノート】 2013年10月31日地理情報の上に展開する新たな環境多媒体モデルの研究Summary 2013年10月31日研究者に聞くInterview 2013年10月31日残留性有機汚染物質の地球規模動態や生物への曝露量を予測する【シリーズ重点研究プログラムの紹介:「化学物質評価・管理イノベーション研究プログラム」から】 2013年8月31日熱処理プラントを用いた災害廃棄物燃焼試験の取り組み【東日本大震災復旧・復興への取り組み】 2013年6月28日有機分析の新展開-網羅分析法開発特集 環境汚染物質と先端化学計測 【シリーズ先導研究プログラムの紹介:『先端環境計測研究プログラム』から】 2013年4月30日環境スペシメンバンキングをめぐる動き研究をめぐって 2011年12月28日化学物質リスク管理の戦略的アプローチに関する研究【シリーズ重点研究プログラムの紹介: 「化学物質評価・管理イノベーション研究プログラム」 から】 2011年6月30日環境リスク研究の発展にむけた環境リスク研究センターの取り組み【環境リスク研究センターの紹介】 2011年6月30日環境の計測を通して環境問題の理解と解決を目指して【環境計測研究センターの紹介】 2005年9月7日PCBをなくすゴミ(7) 全てを見る 閉じる 関連研究報告書 2009年12月25日残留性有機汚染物質の多次元分離分析法の開発に関する研究(特別研究) 平成18〜20年度国立環境研究所特別研究報告 SR-90-2009 2006年12月28日有機フッ素化合物等POPs様汚染物質の発生源評価・対策並びに汚染実態解明のための基盤技術開発に関する研究(特別研究) 平成15〜17年度国立環境研究所特別研究報告 SR-67-2006 2006年12月28日内分泌かく乱物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト(終了報告) 平成13〜17年度国立環境研究所特別研究報告 SR-71-2006 2003年11月28日内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト(中間報告) 平成13〜14年度国立環境研究所特別研究報告 SR-56-2003 2003年9月30日環境ホルモンの分解処理要素技術に関する研究(内分泌攪乱化学物質総合対策研究) 平成11〜14年度国立環境研究所特別研究報告 SR-48-2002 2003年9月30日ダイオキシン類の新たな計測手法に関する開発研究(ダイオキシン類対策高度化研究) 平成12〜14年度国立環境研究所特別研究報告 SR-49-2003 2003年9月30日ダイオキシン類の体内負荷量および生体影響評価に関する研究(ダイオキシン類対策高度化研究) 平成12〜14年度国立環境研究所特別研究報告 SR-50-2003 1993年3月31日先端技術における化学環境の解明に関する研究 昭和62年度〜平成3年度国立環境研究所特別研究報告 SR-10-'93 1991年3月25日先端技術における化学環境の解明に関する研究(I) −塩化ジベンゾフランとダイオキシン− 昭和62年度〜平成元年度 特別研究報告国立環境研究所研究報告 R-129-'91 全てを見る 閉じる 国環研について 研究所概要 組織紹介 研究者紹介 研究所基本文書 研究所マップ 所外実験施設 調達・契約 採用案内 研究所の環境配慮 政策貢献 環境情報メディア「環境展望台」 情報公開 個人情報保護 情報セキュリティ対策 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 研究倫理 研究紹介 研究分野 戦略的研究プログラム 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 研究成果 データベース/ツール 研究プロジェクト等のページ 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